MEISTER

03

地元企業を支える、
商社の力とは?

株式会社シバタ 田尻紘介さん

パティシエから商社の営業へ

───田尻さんが初めてとみやさんと出会ったのは、もう17年前になるそうですね。当時のことを覚えていらっしゃいますか?

はい、今でもよく覚えています。畑違いの分野に飛び込んだばかりで緊張の連続でしたし、最初は何を話していいのかも分からないような状態でした。とみやスタッフの皆さまからは、厳しい言葉や対応をいただくこともありましたが、その中にはいつもあたたかな配慮がありました。そのおかげでいまの自分があると、強く感じています。

───現在は「株式会社シバタ」鹿児島営業所の営業課長として、入社当初から長年とみやさんと関わってこられました。あらためて御社の紹介もお願いできますか。

弊社は産業用資材の専門商社で、東京に本社を構え、全国各地に事業所・支店を展開しています。取り扱いアイテムは約30,000点に上り、建築・土木・農業・水産など幅広い分野の商品を揃えています。とみや様もまた15,000点ほどの商品を扱われており、当社が販売活動をサポートさせていただいています。

───田尻さんご自身は、パティシエから営業職へという異色のキャリアだとうかがいました。

はい。シバタに入社したのは平成20年ですが、それまではパティシエとして10年ほど働いていました。東京でも2〜3年ほど修業しましたし、職人の世界は「見て学べ」が当たり前の厳しい環境でした。だからこそ、やりがいのある世界でもありましたね。

───そこから鹿児島に戻り、商社営業の道へ進まれた理由は何だったのでしょう。

もともと鹿児島出身で、いずれは地元に戻りたいと考えていたんです。それまでずっと職人の世界にいたので、逆に一度サラリーマン生活を経験してみたい、という憧れもありました。そこで縁があってシバタに入社し、鹿児島営業所で営業を担当することになりました。

───商社の営業というお仕事は、どんなやりがいがありますか。

とみや様には農業・畜産・水産関係を中心に幅広い商品を発注いただいていますが、お互いに扱う業種が多岐にわたる分、相談内容もさまざまです。その分やりがいも大きいですね。小売業者が15,000点もの商品を自力でそろえるのは難しいので、当社のような商社のサポートは必要不可欠だと思います。

両社に共通する「地域密着」の姿勢

───シバタさんは「地域密着」「即納即配」をモットーにされていると聞きました。

はい。現場で汗を流す業者様の声に耳を傾け、できるだけ要望を断らず、即納・即配を徹底しています。創業時は5人で始まった会社ですが、今では全国に事業所を展開し、598人の社員が働いています。「産業用資材業界のコンビニエンスストア」を目指して、日々の営業活動に取り組んでいます。

───とみやさんもまた、地域密着を掲げるプロショップとして長年経営をされてきました。田尻さんから見て、「地域密着」の姿勢は、とみやの事業にどのようにプラスになっていると感じますか?

売上につながる重要なポイントは、「ユーザーとのコミュニケーション」だと考えています。今はオンラインで商品の情報を簡単に知ることができますが、とみや様の場合は店舗で手元の商品を直接ユーザーに説明できることが大きな強みです。知識が豊富でキャリアの長いスタッフがたくさんいらっしゃるのも大きいですね。

とみや様は、とにかくユーザーとの距離が近い。お客様のニーズを深く理解されているからこそ、弊社シバタにも幅広いお問い合せをいただいています。各社員のフットワークが軽く、お客様の要望に確実に応えていらっしゃることが、地域の信頼につながっているのだと思います。

───他にも、スタッフの仕事ぶりで魅力的な部分はありますか?

機械の知識に関しては、刈り払い機や電動工具をはじめ、他店に比べても圧倒的に長けている印象ですね。スタッフの皆さんが日々の仕事の中で、自然に機械をいじっているイメージがあります。私自身も仕事柄、機械に直接触れる機会がありますが、その度に「とみや様のスタッフさんたちは本当にすごいな」と感じています。

───プロショップとしての信頼は、同じプロであるスタッフが土台になっているわけですね。

はい、まさにそうですね。スタッフさんたちの確実で専門的な知識がとっかかりとなって、店舗全体のリピーターが増えているように感じています。お店の皆さんは非常に話しやすく雰囲気がいいので、また足を運びたくなる店舗になっているんだと思いますね。

鹿屋の魅力とこれから

───田尻さんご自身も、鹿屋や大隅半島との縁が深いとか。

はい。私は鹿児島市内の桜ヶ丘生まれですが、父が転勤族だったこともあり、幼少期から県内を転々としました。小学1年生から三年間は鹿屋の串良町で過ごしましたし、妻も鹿屋出身です。とみや営業部の永岡さんとは家族ぐるみで飲みに行く仲なんですよ。

───田尻さんの感じる、鹿屋の魅力はどんなところですか?

鹿屋市は人口およそ10万人の、大隅地域の中心的な街です。気候がとても温暖で、自然にも恵まれた環境が魅力ですね。

農業や畜産業が盛んで、特に黒豚や黒毛和牛、それからカンパチや鰻の養殖は全国でもトップクラスの産出額を誇っています。鹿児島県はもともと養鰻が盛んなところで、北薩地域も有名なんですが、大隅半島は規模が圧倒的に違いますね。

市内には商業施設や飲食店が充実していて、都市の便利さと豊かな自然環境がバランスよく共存しているところが、鹿屋の住みやすさにつながっていると思います。

───最後に、今後の展望や意気込みについてもお聞かせください。

とみや様は、大隅半島という地域の市場規模や、これまでの取り組みを拝見しても、まだまだ大きな伸び代のある会社だと感じています。そうした成長の可能性を間近で感じられることは、私たちにとっても非常に刺激になります。

株式会社シバタには、創業当初から「雑草魂」や「継往開来」といった言葉を大切にしてきた歴史があります。先人たちが築いてきたものをしっかりと受け継ぎながら、各営業所が自ら進化を続けていくという姿勢は、これからも変わることはありません。

私自身も、その精神を胸に、とみや様と共に学び合い、切磋琢磨しながら、これからも地域の皆さまのお役に立てるよう努めてまいります。

Profile

田尻紘介(たじり・こうすけ)|株式会社シバタ 鹿児島営業部 営業課長

鹿児島市出身。パティシエとして10年間勤務した後、平成20年に株式会社シバタへ入社。畑違いの分野へ挑戦した当初の苦労を乗り越え、今ではシバタの「雑草魂」「継往開来」という精神を胸に、取引先と共に学び、切磋琢磨しながら地域貢献に努めている。また、「地域密着」「即納即配」をモットーに、顧客の多様なニーズに応えることにやりがいを感じている。特にプロショップ「とみや」とは17年来の取引があり、同店の成長を間近で感じることが自身の刺激になっている。幼少の頃に本人が鹿屋市に住んでいたことや妻が鹿屋市出身であるなど、鹿屋との縁も深い。

02

「モノ」の時代から
「風の時代」へ

家づくり・土木作業のプロとして地域の暮らしに向き合い、鹿屋のまちづくり・活性化にもさまざまな想いをお持ちの上之段勝雄(うえのだん・かつお)さん。とみやと共に歩んできた歴史や、地域の課題解決として取り組む空き家の活用、そしてこれからの地域コミュニティづくりについてお話を伺いました。

株式会社上之段建設 上之段勝雄さん
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地元企業を支える、
商社の力とは?

産業用資材の専門商社として、多岐にわたる分野の商品ラインナップを誇る「株式会社シバタ」。鹿児島営業所で営業課長を務める田尻紘介さんは、「とみやは地域のニーズに応え続けている実力派小売店」と評します。パティシエから転身して17年、とみやとの取引を通じて感じた魅力と今後の展望について語っていただきました。

株式会社シバタ 田尻紘介さん
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